森林の資源といえば、まず思い出すのが木材。緑豊かな日本に暮らす人々は、昔から木材を生活のいろいろな場面で利用してきました。それと同時に木材以外にも、私たちは数多くの恵みを森林から受け取っています。 |
森林の豊富な日本では、古くから木材が日常生活と密着した形で国民に親しまれ、住居や生活用具などに幅広く利用されてきました。木材には圧縮強度、湿度調整機能、光や音の吸収性など、非常にすぐれた特性があります。また、視覚や触覚、あるいは嗅覚の面でも、木が持つ温かさや存在感は、私たちに安らぎを与えてくれます。
今日でも木材は、建物や家具などの材料として広く用いられているほか、合板、集成材など木材の特性を活かした利用や、紙などの原料のパルプとして利用されています。
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森林の恵みは、木材ばかりではありません。キノコやタケノコなど、さまざまな食材、加工原料を私たちは森林から得ています。これらを総称して「特用林産物」といいます。
主な特用林産物には、低カロリーで食物繊維を豊富に含む椎茸などのキノコ類、春の食卓を彩るゼンマイやワラビ、タラノ芽、タケノコなどの山菜類、オウレン、キハダなどの薬草・薬木類、という具合に枚挙にいとまがありません。また、水質浄化資材や土壌改良材、あるいはもともとの燃料としても見直されている木炭も森林に由来する製品です。
そのほか、ロウソクや口紅などの原料に利用される木ロウ、竹製品に利用される竹材、わが国の伝統的な工芸品の材料となる漆など、さまざまな特用林産物が森林から生産され、幅広く私たちの生活に役立っています。
ちなみに、福岡には全国で5本の指に入る特用林産物がいくつかあります。タケノコの生産量は全国第1位の9千トン、全国生産量の約28%を占めています。ブナシメジも全国第2位の生産量で、約9000トン(同10%)、木ロウの生産量は年々減少しているものの、全国屈指の生産量を誇っています。(いずれも平成15年度福岡県森林・林業・木材産業の動向データによる)。
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