カエデ属は北半球の温帯に広く分布する落葉高木で、日本でも約30種類が見られます。なかでも日本全国に自生する「イロハモミジ」はその代表でしょう。
福岡県内では高山の暖温帯林の落葉樹林を構成する樹種で、ヤマモミジともいわれています。
このカエデは秋の紅葉もさることながら、春の“若カエデ”といわれる新緑、夏の緑陰・葉影など、四季折々に美しい情景を醸しだし、日本人の心をとらえます。日本庭園、神社、寺、そのほか公園などの修景(しゅうけい=景色を飾ること)に欠かせない樹木です。
和名のカエデはカエデ科を総称したもので、イロハモミジは葉が手のひら状に“イロハニホヘト”と深く七つにさけていることから名付けられました。
カエデ類の樹液には糖分が多く含まれており、採集された樹液からシロップが作られていることはあまり知られておりません。
写真・文/斉城 巧(夜須高原記念の森)
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