高山性の樹木で、高さ10メートル以上になる落葉高木です。
福岡県では英彦山、脊振山系の海抜800メートルぐらいのところから自生しますが、数も少なく貴重な樹種となっています。
幹は生長にともない樹皮がはげて、サルスベリに似た独特のまだら模様となります。6月頃には、直径6〜7センチの白い5弁の花を、葉のつけねに1個ずつ上向きに付けます。ブナ林のなかで静かに咲いている姿は幻想的です。
昔から茶花(ちゃばな=お茶会のときに用いる花)として茶庭に、また、シャラ(娑羅=さら。沙羅双樹)の花として寺院に植えられていましたが、近年は公園樹、観賞用花木として一般家庭の庭木にも用いられるようになっています。
和名の「ナツツバキ」は、夏にツバキのような白い花が咲くことによります。地方によってはシャラノキと呼ぶところもあります。
写真・文/斉城 巧(夜須高原記念の森)
|
|