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世界的にみてもますます重要性が高くなっている森林。では、福岡の森林の様子はどうなっているのでしょうか? ここではその概要についてご紹介しましょう。 |
【気候】
福岡県の気候はおおむね温暖で、年平均気温は摂氏16.0度、年間降水量は1,690ミリメートルです。しかし、同じ福岡県でも地形が大きく影響し、地域ごとに気象特性が異なっています。
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釈迦岳 |
【地形】
地形としては平地部が多いですが、大分県境の英彦山・釈迦岳山地と、佐賀県境の脊振山地が標高1,000メートルを超える大きな山塊を形成しています。また、福知・三郡・古処・耳納・筑肥の各山地は、標高700〜900メートルの山々を連ねています。
【森林率】
九州の北部に位置する福岡県の県土面積は49万8千ヘクタールで、うち、森林面積は22万3千ヘクタール。森林率は45%と全国平均の67%に比べて低い数字になっています。比較的平地が多い上に、開発が進んでいることがその理由です。全国をみると、森林率が50%未満の場所は、東京を中心とする関東圏ほか、愛知県、大阪府など、いずれも平地が多く人口が密集している場所がほとんどです。
そうした場所では当然、住民1人あたりの森林面積も低くなります。福岡県の場合、県民1人あたりの森林面積は443平方メートル。全国平均が2,003平方メートルですから、非常に少ない状況にあります。
【植生】
自然植生は、標高800メートルを境に、上部ではブナ、ミズナラなどの夏緑林帯、下部ではシイ・カシ類、タブ・ヤブツバキなどの照葉樹林帯になっています。
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英彦山の天然林
(添田町) |
22万3千ヘクタールの県内森林面積のうち、地域森林計画対象の民有林は19万7千ヘクタール、国有林は2万4千ヘクタールとなっています。民有林のうち天然林は23%(45,000ヘクタール)を占めるにすぎず、人工林率が66%と全国でも上位に位置しています。これは戦後の荒廃した県土復旧のため、人工造林が積極的に推進されたことによるものです。
樹種構成は、広葉樹が23%、針葉樹が67%となっています。
広葉樹の大半は天然林のシイ・カシ類、タブ類で、一部人工林のクヌギなどがあります。針葉樹の大半はスギ、ヒノキの人工林で、一部天然林と人工林にマツなどがあります。
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スギの人工林 |
人工林の樹種構成は、面積でスギが53%、ヒノキが42%、マツその他が5%で、建築用材として利用価値の高いスギとヒノキが人工林の95%に達しています。そして、36年生以上の林分が、それら人工林の約6割を占めています。
福岡県は他県と比較して山地および都市部の大河川が少ないうえに、人口密度が高くなっています。その結果、一人あたりの水資源賦存量(降水量から蒸発散量を差し引いた量)は全国平均の3分の1と、水資源に恵まれていません。したがって水源かん養機能の高い森林の役割は、特に重要となっているのです。
(いずれも平成16年度福岡県林業統計要覧による)
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