福岡県森林組合連合会








概  要



 台風による風倒木被害、林業の担い手不足など、福岡県の林業は厳しい状況におかれています。しかし、福岡の未来の森林(もり)は、私たち一人ひとりの力によって創り守ってゆくことができます。

●木材の安定的な生産・供給

 平成3年、九州に相次いで上陸した台風17号・19号は、九州各県の森林に甚大な被害をもたらしました。福岡でも大量の風倒木が発生し、推計で208万立方メートルもの人工林が消失してしまったのです。これはそれまで蓄積されてきた人工林の6%にあたります。民有林は、全体の3.7%(7,239ヘクタール)が被害にあいました。パーセンテージでみると少ないように感じますが、とんでもありません。この数字は年間造林面積の実に約10倍に相当する森林が一挙に失われてしまったことを示しているのです。

 以降、災害復旧のための造林に多大な努力がはらわれましたが、木の生長には時間がかかりります。平成3年の台風がもたらした爪痕は、今後数十年の間、福岡の森林に残ることになります。


●木材の安定的な生産・供給

 台風災害の復旧作業も、実は平坦な道のりではありませんでした。その理由のひとつに、森林作業における人手不足があげられます。福岡県の林業就業者数は、昭和40年の国勢調査の時点では1,817人でした。しかし、昭和50年には1,317人と一挙に3割も減少しました。そして平成12年には842人となり、減少傾向は止まる気配がありません。

 しかも同時に、平均年齢が上がってきています。国勢調査の推移をみると、昭和40年時点の50歳以上の就業者が占める割合は31%でしたが、昭和50年は41%に、さらに昭和60年が62%、平成12年には68%へと大幅に増大しています。一方、39歳以下の就業者数は、昭和40年には46%であったものが、平成12年には19%と極端に減少しています。

 つまり、若年就業者の新規参入がほとんどないまま、調査の年が進むのにあわせて、高齢化のみが進行していることを示しているのです。このまま推移すれば林業の担い手不足はより深刻になり、森林資源の整備や、国土、自然環境の維持・保全など、林業のもつ重要な役割が損なわれる恐れがでています。

 こうしたことから、高性能林業機械を導入して作業の安全性・効率性を高めるとともに、林業の就業条件の改善を図るなど、林業がより働きやすく魅力的な仕事になるよう取り組んでいます。


●木材の安定的な生産・供給

 台風災害、担い手の減少と、福岡県の森林・林業を取り巻く状況は決して平穏ではありません。しかし、なくてはならない身近な憩いの場として、また水源のかん養や国土の保全、そして地球環境の点からも、森林の持つ役割はますます重要なものとなっています。

 そうしたなか、今後の森林のあるべき姿として、県・森林組合ではさまざまな構想に基づき事業に取り組もうとしています。

 当面の課題としては、もともと森林率が低い福岡では、なんとか森林面積を維持していくことが必要です。森林の保全・維持は、国・地方自治体・森林組合などの事業体が一体となって取り組んでいます。しかし大前提として何より大切なのは、県民の皆さん一人ひとりの森林に対する理解なのです。未来の森林は、皆さん一人ひとりの力によって創り守られていきます。