中国、朝鮮、日本などアジアの東部に分布し、山野に普通に見られる高木性の落葉広葉樹です。
普段はあまり関心を持たれず、むしろ雑木として見過ごされていますが、新緑の候、ほとんどの木が緑豊かに茂るなかにあって、ひときわ紅い新芽を出します。昔はこの葉にカシワと同じように食物をのせたことから、和名を「アカメガシワ」といいます。
夏には葉は緑となり、ついで秋になると紅葉のなかに遠目でも鮮やかな黄色に変色し、錦おりなす晩秋の景観を彩ります。
以前は、葉が民間薬・肥料、材は器具・薪炭材に使われていました。しかし、現在は伐採されることも少なくなり、福岡県内でも山や渓流沿いに、10メートル前後の大木が見られるようになっています。
写真・文/斉城 巧(夜須高原記念の森)
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