山地のやや乾燥したところに自生する落葉樹です。
福岡県内では低木状のものが多く見られますが、なかには10メートル近くに達するものがあります。
花期は5〜6月で、初夏の代表的な花です。遠目で白く見えるものは植物学上の花びらではなく、総苞片(そうほうへん=花を保護するためにガクの下にあるもの。花のつぼみを包んだ部分)と呼ばれるものです。本当の花は中央に集まった目立たない緑色の球状のものです。最近、同じ仲間で公園や庭に植えられている、ハナミズキのピンクや白の部分も同じです。
ヤマボウシは、枝分かれした潅木状の木の姿、花の素朴さ、秋の紅葉と赤い果実が日本庭園向きとして植えられており、また、公園木としても広く知られるようになっています。
秋になると実る直径1センチぐらいの球状の果実は、赤く熟すと食べられます。
和名は「山法師」で、丸いつぼみを坊主の頭に、白い総苞を頭巾に見立てて名付けられたとする説があります。
写真・文/斉城 巧(夜須高原記念の森)
|
|