北海道、および東北の一部をのぞく日本の山に広く分布する落葉高木です。
サクラは昔から日本の文化や風土、または精神的な面で関わりが深く、花といえばサクラを指し、サクラといえばヤマザクラを指していました。一般にサクラは短命とされていますが、それは園芸種のことで、自然のヤマザクラには樹齢1000年以上という巨木があります。
福岡県内にも自生地が多く、春の山を彩ります。なかでも八女郡の石割岳の群生地は有名で、ヤマザクラの種子採取の母樹林に指定されています。
材は建築材、器具に利用され、横にはげる樹皮は箱物の装飾に使われることがよく知られています。また、花とともに若芽が同時に出るのがヤマザクラの特徴ですが、その色合いの美しさと、そのうえ生命力も強いことから、公園、公共施設の修景、緑陰樹に植栽されることが多くなっています。
写真・文/斉城 巧(夜須高原記念の森)
|
|